The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
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セフォタキシムナトリウムの血清中濃度及び心筋内移行の検討
司尾 和紀松田 昌三楠本 長正橘 史朗大藪 久則栗栖 茂山本 信一郎岡田 昌義中村 和夫
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1984 年 37 巻 6 号 p. 1035-1039

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抄録

心臓手術は, 他の手術に比べ多人数による長時間の手術となることが多いため, 細菌汚染の機会が増加し, しかもこれによつて体内に留置した人工弁, 人工血管, テフロン布などの異物に感染が加わると治療は極めて難渋し, その予後は不良である。更に, 体外循環や大量の血液交換の影響として感染に対する防御機能が低下しているとされている1)。このような理由から開心術に際しては術中の厳重な無菌操作に加えて, 抗生物質の予防的投与が一般的となつている。
本研究では近年, 第3世代の抗生物質として登場したセフォタキシムナトリウム (Claforan® CTX) を心臓手術における予防的抗生物質として, どのように評価すべきかを検討するため, 開心術中の血清中濃度の推移と心筋内移行から, これを検討したので報告する。

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