The Japanese Journal of Antibiotics
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呼吸器感染症患者分離菌の薬剤感受性について(1982年)
池本 秀雄渡辺 一功小酒井 望猪狩 淳小栗 豊子斎藤 玲篠原 正英松宮 英視上田 京子井田 士朗西岡 きよ山根 誠久武田 元屋形 稔尾崎 京子関根 理大島 博渡辺 京子谷本 普一中田 紘一郎立花 昭生中森 祥隆蝶名林 直彦吉村 邦彦中谷 龍王可部 順三郎石橋 弘義熊坂 惣勝鵜沢 毅田村 静夫岡田 淳小林 宏行武田 博明赤嶺 郁子福井 俊夫拝田 隆治福島 孝吉伊藤 章佐野 文彦神永 陽一郎原 耕平斎藤 厚山口 恵三松瀬 真寿美賀来 満夫
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1984 年 37 巻 7 号 p. 1241-1262

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抄録

呼吸器感染症は, 常に変貌していると言つても過言ではないと思われる。その原因は, 極めて複雑多岐であるが, 例えば基礎疾患を有する高齢者の場合はこれら基礎疾患の治療によつて感染抵抗力が減弱するなどして, 感染原因である起炎菌の種類が広がり, 病像が一層複雑になることが少なくない。一方, 呼吸器感染症患者の化学療法は, 起炎菌を決定する以前に, 開始せざるを得ない場合が極めて多い。特に急性の場合はほとんどがそうであろう。臨床の実際においては, 更に諸種の因子が加わり, 抗生剤の選択をより困難なものにしているのが現状である。起炎菌の推定抗菌作用域の広い抗生剤のなかから体内動態及び抗菌力を勘案しての選択, 更に患者の病歴及び基礎疾憲の有無, 臨床経過などの情報から適合する抗生剤を第1選択剤とするわけであるが, その選択に際し, 呼吸器感染症起炎菌の動向, そしてこれら起炎菌の各種抗菌・抗生剤に対する経年的な感受性推移などは極めて重要な情報源となる。
著者らは, ここ2年間にわたり全国各地の研究施設と共同で呼吸器感染症患者分離菌を収集し, 患者背景と起炎菌の関係, 起炎菌の各種抗菌・抗生剤に対する感受性推移などを, 経年的に調査してきた。今回も又, 若干の知見を得たので報告する。

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