The Japanese Journal of Antibiotics
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抗生物質 (Cefotiam) の乳腺組織内移行に関する検討
小林 哲郎弥生 恵司直井 正紀森 武貞
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1984 年 37 巻 9 号 p. 1647-1651

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抄録

乳腺は一般に血流の乏しい組織と言われている1)。一方臨床上は乳腺疾患の治療の目的で種々の薬剤が全身的に投与されているが, これらの薬剤が乳腺組織内へどの程度移行しているのか, 又, その分布状態などについてはまだ十分に明らかにされているとは言えない。ただ最近, 局所進行乳癌に対して制癌剤の局所動脈内注入療法が広く行われるようになり, 動脈内に注入された制癌剤の腫瘍局所への移行をみた報告2) がわずかながらみられる。そこで, われわれは今回, 乳癌手術症例を対象にして, 術前に抗生物質を全身的に投与しておき, 一定時間後に切除した乳腺組織内の抗生物質の濃度, 分布状態を調べることにより, 全身的に投与された薬剤の乳腺組織への移行の程度及びその分布状態等を明らかにした。又, 一部の症例については, 術後腋窩ドレーン排液中への薬剤の移行を調べたので合せて報告する。

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