The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
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小児科領域におけるCeftizoxime坐剤の検討
広田 曄子砂川 慶介斎藤 伸夫石塚 祐吾
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1985 年 38 巻 10 号 p. 2889-2895

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抄録

感染症の治療の手段としての抗生剤は, その抗菌力の増強, 抗菌スペクトラムの拡大, β-Lactamaseに対する安定性の強化等目覚ましい進歩をとげている. なかでもいわゆる第3世代のセフニム剤はグラム陰性菌に対して強い抗菌力を示し, 従来難治性であつた細菌による感染症の治療にも優れた効果を発揮している。一方, 外来における小児の感染症の治療においては, 服薬の拒否や, 時に小児の感染症に伴う嘔吐の問題から抗生剤の経口的投与が不十分な症例がしばしばあり, 筋注は局所の副作用の面から, 静注は外来での処置が困難であり, 且つ投与回数の面から不可能なことが多く, 新しい投与経路による抗生剤の投与が望まれる症例に遭遇する。
この問題を解決するために基剤にカプリン酸ナトリウムを用いたいわゆる第3世代のセフェム剤Ceftizoxime (CZX) の坐剤 (CZX-S) が開発され1), 臨床例に使用する機会を得たのでその結果を報告する。

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© 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
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