The Japanese Journal of Antibiotics
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小児科領域におけるAztreonamの臨床的及び薬物動態的検討
比留間 藤昭目黒 英典宗田 英幸白石 裕昭菅又 久美子有益 修藤井 良知
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1985 年 38 巻 11 号 p. 3217-3229

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抄録

Aztreonam (AZT, 開発時Azthreonamと綴られていた) はアメリカSquibb社で開発されたMonobactam系注射用新抗生物質で, 全化学合成品である。構造式, 化学名はFig. 1のとおりで, 分子量は435.44である。本剤はグラム陽性菌にはほとんど抗菌力はないが, グラム陰性の桿菌及び球菌には強い抗菌力を有するのが大きな特徴である。抗菌力は殺菌的であり, マウスの実験的感染においてin vivo効果はin vitro効果を上回つている1)。グラム陰性菌が産生する各種β-Lactamaseに対して極めて安定であり, 腎のDehydropeptidaseによつて代謝されない。体内では代謝を受けず腎排泄型の物質である。
動物実験における安全性は高く, 1982年9月から成人における臨床第2相試験が開始され, その安全性と有用性がすでに報告されている1)。
この度, 我々はAZT小児科領域研究会の一員として, 本剤の小児における臨床的検討を行う機会を得たので, その結果を報告する。

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