抄録
Cefaclor (CCL) は, 日本を始め諸外国においても, 広く用いられている有用な経口セフェム系抗生物質である。CCLは臨床上1日3回の服用が必要とされているが, 他の経口用抗生物質と同様, 軽症~中等症の外来患者に用いられることが多く, 特に通勤や通学しながらの昼の服用は煩雑であることから時に服用忘れが生じ, 不規則な服用になることも生じてくるであろう。
このような観点から, 1日2回朝夕食後服用でよいCCL持続性製剤 (S64721)) が開発された。S6472にはカプセル剤及び顆粒剤があり, 両剤型の生物学的同等性はすでに確認されている2)。
今回, 我々は健常成人男子を被験者として, 食事条件の差, 投与量の差及び連続投与によるS6472の吸収・排泄動態を明らかにすると共に, 安全性特に連続投与における忍容性について確認したので報告する。