The Japanese Journal of Antibiotics
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S6472 (Cefaclor持続性製剤) の臨床第I相試験
飯田 政明大友 正明伊藤 昌男安田 正俊松田 繁雄園山 高康
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1985 年 38 巻 3 号 p. 822-833

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抄録
Cefaclor (以下CCL) は有用な経口セフェム系抗生物質として, 日本は勿論, 諸外国においても広く使用されており, その用法・用量は「通常, 1日750mg, 重症の場合には1日1, 500mgを3回に分割して経口投与」とされている。しかし, 1日3回の服用は, 特に通勤や通学しながらの外来患者にとつてかなり煩雑であり, 「外来患老の43%が指示通り服んでなく, その48.4%が服み忘れであつた。服み忘れは昼が最も多く, 56%であつたことから, 経口剤は朝夕1日2回の服用の方が望ましい」と言う報告1) があるように, 昼の服用忘れが多くなり, 不規則になることも生じてくる。不規則な服用は有効性の低下や再発の誘発を招く原因になることが多いと推測される。
そこで昼の服用を必要とせず, 朝夕2回の服用で市販のCCL製剤 (ケフラール®塩野義製薬-Lilly) と同等の臨床効果が期待できるCCL持続性製剤 (S6472)2) が考案された。
今回, 我々は健常成人男子を被験者として第I相試験を行い, S6472のヒトにおける安全性及び吸収・排泄動態を明らかにすると共に, そのカプセル剤と顆粒剤の生物学的同等性及び血漿中濃度持続性について, CCLを対照薬とした比較検討を3剤による交叉法にて行つたので報告する。
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© 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
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