The Japanese Journal of Antibiotics
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緑膿菌に対するAstromicinとβ-Lactam系抗生物質との併用効果
in vitroでの相乗効果の検討
佐藤 清岡地 諒伊山 吉香
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1985 年 38 巻 4 号 p. 1022-1028

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抄録

Astromicin (Fortimicin®,ASTM) は, 協和醗酵工業株式会社で発見されたMicromonospora olivasterospora MK70の産生するAminoglyooside系抗生物質である1)。本剤の抗菌作用は, グラム陽性菌, グラム陰性菌に広範囲な抗菌スペクトルを有し, 特にSerratia marceacensに対しては, 他のAminoglyooside系抗生物質に比べ, 強い抗菌力を示す。又, Gentamicin耐性菌をはじめ, 各種Aminoglycoside系抗生物質耐性菌にも有効であるが, Pseudomonas aeruginosaに対しては抗菌力がやや弱い2, 3)。
感染症の治療には, 2種以上の抗菌剤による併用療法がしばしば行われる4)。薬剤の併用は, 一般に抗菌スペクトルの拡大, 耐性菌出現の防止, 副作用の軽減などの目的で行われるが, 臨床的に特に注目されるのは, 適当な薬剤の組合せによつて, それぞれの薬剤の単独使用時に比べて特定の菌に対する抗菌力が増強され, より有効に作用することが期待できる点にある。
今回,我々はASTMの抗緑膿菌効果を向上させることを目的として, 現在臨床に用いられている3種のβ-Lactam系抗生物質との併用効果について, in vitroで検討したので報告する。

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