The Japanese Journal of Antibiotics
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呼吸器感染症に対するCeftizoximeの評価
前田 富実雄野村 史郎河地 英昭服部 治郎次下方 薫中西 和夫西脇 敬祐藤井 晧山本 正彦山本 直彦高納 修吉井 才司一山 智竹浦 茂樹鰐部 春松酒井 秀造鈴木 隆元中村 智子千田 嘉博鳥井 義夫安田 行信
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1985 年 38 巻 4 号 p. 1029-1036

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抄録

呼吸器感染症の主たる起炎菌であるStreptococcus pneumoniaeの重要性は今でもかわりないが, 近年ではグラム陽性球菌に加えてHaemophilus influenzae, Klebsiella pneumoniaeなどのグラム陰性桿菌が呼吸器感染症の起炎菌として重視されてきている。又, β-ラクタマーゼ産生による耐性菌もかなり出現しつつある。
Ceftizoxime (以下CZXと略す) は, 藤沢薬品中央研究所で開発された新しいセフェム系注射剤で, 3位側鎖に置換基がないのが特徴であり, そのため生体内代謝を受けることなく1), 又, 腎毒性などの副作用が少ないと言われている2)。その抗菌スペクトルはグラム陽性球菌からグラム陰性桿菌まで広範囲にわたつており, 抗菌力, 殺菌力は従来の薬剤に比べて非常に優れている3~5)。
更に, H. influenzae, K. pneumoniae, S. pneumoniaeなどの呼吸器感染症の主要菌に対しては, その抗菌力は従来のセフェム系抗生剤に比べて特に勝つている。又, その優れた体内動態を反映して喀痰中移行, 肺組織移行

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