The Japanese Journal of Antibiotics
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Bacmecillinamの吸収, 分布, 代謝, 排泄
第2報 ラットにおける胎仔移行性及び乳汁中移行性
井上 顕信小林 智
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1985 年 38 巻 4 号 p. 1102-1106

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抄録

Bacmecillinam(KW-1100)はMecillinam(MPC)の3位側鎖にEthoxycarbonyloxyethyl基がエステル結合した経口用合成ペニシリンである。KW-1100は経口投与後, 腸管粘膜内及び血漿中の非特異的エステラーゼにより速やかにエステルが加水分解され1, 2)てMPCとなり, 特にグラム陰性桿菌に対して強い抗菌活性3~6)を発揮するものと考えられている。
第1報7)においてラットにおける生体内動態について114C-KW-1100を用いて詳細な検討を行つた。その結果, KW-1100は腸管から速やかに吸収されほとんど腎臓から排泄され蓄積も少ないことが明らかにされた。しかし, 本薬物が妊娠中あるいは授乳中の婦人に用いられる可能性もあるため, 動物において胎盤通過性及び乳汁移行性について研究することは重要と思われる。今回, 著者らは妊娠ラット及び授乳期ラットを用いて, 子宮, 卵巣, 胎仔及び乳汁中への移行について検討したので報告する。

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