1985 年 38 巻 9 号 p. 2444-2452
Cefaclor (以下CCL) は, グラム陽性菌及びグラム陰性菌に幅広い抗菌スペクトラムを有し, 迅速且つ強力な殺菌作用を発現すること1), 又, Staphylococcus aureus Escherichia coli, Klebsiella pneumoniae,Proteus mirabilis, Haemophilus influenzae等に対する抗菌力もCephalexin (CEX) 等と比較すると6~8倍増強されていることが2) 主な特徴である。
一方持続性Cefaclor (S6472) は, 従来の胃溶性CCL40%にpH dependentのCoatingをほどこした腸溶性CCL顆粒60%を配合することにより, 血中濃度を持続させることを目的とした持続性CCL製剤である。本剤は成人用製剤として開発されており, 1日2回投与で各種中等症, 軽症感染症にその有用性が報告されつつある3~5)。
今回我々は小児科領域, 特に学童においても日常診療に大いに有用と思われるので, 本剤の体内動態並びに臨床効果を検討し, いささかの結果を得たので報告する。