The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
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非修飾静注用乾燥イオン交換樹脂処理ヒト免疫グブリン製剤SM-4300の使用経験
藤巻 博辛島 仁嶋田 甚五郎吉田 真弓栗山 哲相澤 純雄宮原 正
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1985 年 38 巻 9 号 p. 2496-2502

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抄録

抗体の感染を防御する上での役割として1. オプソニン化, 2. 殺菌, 3. 細菌性毒素の中和, 4. ウイルスの中和, 5. ウイルス感染細胞の破壊, 並びに6. 病原微生物の上皮や内皮細胞への附着を抑えることなどが明らかにされている。
又, 免疫不全症に対し免疫補充療法を行うと, 反復感染の頻度が減少することや, 更に重症感染症においては健常な免疫能を有するものでも, 病原に対する抗体が多量に消費されて一過性に免疫不全状態になることも予想される。
このようなことから, 重症感染症に対し静注用ヒト免疫グロブリンを抗生剤と併用する試みが盛んに行われるようになつてきている。
著者らも, 今回, 新しく開発された非修飾静注用乾燥イオン交換樹脂処理ヒト免疫グロブリン製剤SM-4300 (住友化学工業 (株), 日本トラペノール (株) の共同開発) を抗生剤療法だけでは臨床効果の得られなかつた重症・難治性感染症4例に併用し, その治療効果, 安全性並びに有用性を検討したので報告する。

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© 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
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