The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
Print ISSN : 0368-2781
ISSN-L : 0368-2781
外科的重症感染症に対する抗生剤とヒト免疫グロブリン製剤(SM-4300)の併用療法
中山 文夫豊田 清一
著者情報
ジャーナル フリー

1985 年 38 巻 9 号 p. 2660-2664

詳細
抄録

免疫不全状態にあるPoor riskの患者に対して外科的拡大手術を行わなければならない機会があり, その際に生じた重症感染症に対する治療が抗生物質だけでは, 充分な効果が得られず, 難治性となり, 治療の遷延化することがある。免疫応答能力の低下により易感染状態の疾患の抗生物質との併用療法として, ヒト免疫グロブリン製剤の有効性が確認され, 多くの製剤が開発された。
はじめは筋注用グロブリン製剤であつたがアナフィラキシー等の副作用が報告され,投与量の限界や筋注部位の疼痛などの問題から使用されなくなり, より血中移行率の高い安全で有効な静注用ヒト免疫グロブリン製剤が精製され, 安全性や有効性について検討された1, 2)。
今回, 新しく開発された静注用のイオン交換樹脂処理ヒト免疫グロブリン製剤(以下SM-4300とする)を使用する機会を得た。この製剤は, 低温エタノール分画により得たガンマグロブリン分画をイオン交換樹脂DEAEセファデックスで処理し, アナフィラキシーの原因となる凝集体を除去したものである。

著者関連情報
© 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
前の記事 次の記事
feedback
Top