1986 年 39 巻 4 号 p. 1149-1156
Cefixime (CFIX) は藤沢薬品中央研究所で開発された新しい経口用セファロスポリン系抗生物質で, 7-アミノセファロスポラン酸の3位にビニル基を, 7位にカルボキシメトキシイミノ基を有する (Fig. 1)。
本剤は, 従来の経口用セファロスポリン剤, ペニシリン剤と異なり各種β-ラクタマーゼに安定であり, 特にグラム陰性菌に対して優れた抗菌力を示す1)。又, 成人における検討で, 従来のセファロスポリン剤に比べ血清中濃度の半減期が長く, 胆汁中及び尿中濃度も持続的であることが示されている2)。
今回, 我々はCFIXを小児科領域における細菌感染症に使用する機会を得, 臨床的検討を行つたので報告する。