The Japanese Journal of Antibiotics
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14C標識Pivaloyloxymethyl (+)-(6R, 7R)-7-[(Z)-2-(2-amino-4-thiazolyl)-2-methoxyiminoacetamido]-3-[(5-methyl-2H-tetrazol-2-yl) methyl]-8-oxo-5-thia-1-azabicyclo [4. 2. 0] oct-2-ene-2-carboxylate (14C-T-2588) のラット及びマウスにおける吸収, 分布及び排泄
才川 勇前田 豊男中島 良文酒井 広志早川 大善小野田 誠松谷 博子
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1986 年 39 巻 4 号 p. 979-990

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抄録

ラット及びマウスにおける吸収, 分布及び排泄について (Aminothiazole-2-14C) T-2588と (Pivaloyloxymethyl-14C) T-2588を用いて検討し以下の知見を得た。
1.(Aminothiazole-2-14C) T-2588投与後のin vivo血清たんばく結合率は90~100%であつた。
2.(Aminothiazole-2-14C) T-2588投与後の血中濃度は投与後1時間で最高濃度に達し, 以後緩やかに減少した。
3.(Aminothiazole-2-14C) T-2588投与後の臓器及び組織内濃度は胃, 小腸, 膀胱及び腎が最も高かつた。その他, 副腎, 肺, 肝, 心, 膵等, 広く分布した。脳ではほとんど認められなかつた。幼若ラットの臓器及び組織内濃度は成熟ラットの場合と比較して低濃度で持続する傾向であつた。
4.(Aminothiazole十2-14C) T-2588を投与した場合尿中排泄率はラットでは約26%であり, マウスでは約35%であつた。又, 糞中排泄率はラットでは約76%であり, マウスでは約63%であつた。
5. マウスに (Aminothiazole-2-14C) T-2588を7日間連続投与した時の尿中及び糞中排泄パターンは1回投与の場合と同様で蓄積性は認められなかつた。
6.(Pivaloyloxymethyl-14C) T-2588を投与した時, ラット, マウス共に尿中に約8%, 糞中に約6%が排泄され, そして呼気中に14CO2としてラットで約55%が, マウスで約66%が排泄された。
7, ラットに(Aminothiazole-2-14C) T-2588を投与した時の胆汁中排泄率は約65%であつた。

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