The Japanese Journal of Antibiotics
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緑膿菌実験感染症におけるAstromicinとβ-Lactam系抗生物質の併用効果
佐藤 清山下 錦也岡地 諒
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1986 年 39 巻 6 号 p. 1487-1493

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抄録

緑膿菌に対するアミノ配糖体系抗生物質Astromicin (ASTM) とβ-Lactam系抗生物質 (Latamoxef, Cefoperazone, Piperacillin, Cefsulodin) の併用効果について, 実験的感染症モデルを用いて検討した。実験動物は正常及び免疫低下 (感染4日前Cyclophosphamideを250mg/kg腹腔内投与) マウスを使用し, 併用薬剤の配合比はASTM-β-Lactam剤を1:5とした。感染及び治療法の経路はそれぞれ腹腔内, 皮下で行つた。
正常マウスを用いた緑膿菌感染症に対して, ASTMと上記β-Lactam剤のいずれの組み合せにおいても著明な併用効果が認められた。併用時における各薬剤それぞれの投与量は, 単独投与時に比ベ大幅に減量がみられた。併用相手のβ-Lactam剤の種類によつては, そのin vivo効果は有意な相乗作用を示した。免疫低下マウスを用いた緑膿菌感染症の場合にも正常マウス時に比較し, 対応する投与の治療効果は減弱傾向にあるものの併用では相乗効果が認められた。
今回のin vivo試験において, ASTMとβ-Lactam剤の併用により緑膿菌に対し相乗的に作用することが確認された。

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