The Japanese Journal of Antibiotics
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小児科領域におけるImipenem/Cilastatin sodiumの臨床的検討
目黒 英典有益 修小林 正明白石 裕昭藤井 良知和泉 桂子
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1986 年 39 巻 7 号 p. 1715-1732

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抄録

Imipenem (MK-0787)とCilastatin sodium (MK-0791) はアメリカのメルク社研究所で開発されたもので, 化学名, 化学構造式はFig. 1のとおりである。MK-0787は新規のCarbapenem系注射用抗生物質で, in vitroでは超広域性で抗菌力が優れ, β-Lactamaseにも極めて安定であるが, in vivoで不安定なため実用化が遅れていたThienamycinの誘導体である1)。しかし, MK-0787も腎尿細管上皮細胞に存在するRenal dipeptidase (RDP, Dehydropeptidase-I) で分解されるため, RDPの選択的且つ可逆的阻害剤であるMK-0791と1: 1の合剤として実用化された。
MK-0787/MK-0791の成人における臨床第II相試験はすでに終了し, その安全性と有効性が報告され2), 小児への臨床試験の拡大に支障はないと考えられた。我々は1984年11月30日に発足した小児科領域MK-0787/MK-0791研究会の一員として, 本剤の臨床的検討を行つたので, その結果を報告する。

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