1986 年 39 巻 9 号 p. 2367-2373
Premature rupture of the membranes (PROM) の発生は, 早産未熟児出生の最大要因であり, 近年Preterm PROM特に妊娠32週前の管理が大きな問題となつてぎている。PROMの発生機構は複雑で, その背景因子も多岐にわたるが, 近年, 下部性器からのBacterial contaminationとの関係が注目されるに至つた。
Chorioamnionitis (CAM) とPROMの関係は, 早産に至る過程から2つの場合が考えられる。1. CAMが先行しPR-OMに至る症例。2. PROMが先行し上行感染によるCAM発症。いずれにしても, 子宮頸部の細菌叢が問題となつてくる。こうした観点から, 最近, PROM症例における羊水中の細菌学的検討が注目されるに至つた。
従つて, ここではPROM症例の子宮頸部・子宮下部の細菌学的検討と, PROM (+CAM) 症例の臨床面からの検討を行つたので報告する。