The Japanese Journal of Antibiotics
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周産期におけるCefotiamの基礎的及び臨床的検討
早崎 源基花林 隆裕李 寿昌高田 恭宏伊藤 邦彦野田 克已飯田 光雄陳 超権山田 新尚大杉 智加藤 隆治林 義弘馬場 義孝脇田 勝次
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1986 年 39 巻 9 号 p. 2497-2518

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抄録

Cefotiam (CTM, Pansporin®) は7位側鎖に2-Aminothiazolを, 3位側鎖にDimethylaminoethyltetrazolをつけることにより, 作用点であるペニシリン結合蛋白に対する阻害力が飛躍的に強くなつたうえ, 2-Aminothiazolの陽性荷電が細菌の外膜通過性を向上させたもので, 代表的ないわゆる第2世代Cephem剤である (Fig.1)。
この薬剤はブドウ球菌を含むグラム陽性菌から, R因子の有無にかかわらず強毒のグラム陰性桿菌には例外なく, 強い抗菌力を示すので, 患者の免疫状態が正常であれば, 病原菌となる菌は上記のものが主となるから, 一次選択薬剤として広く臨床的に使用されている1)。
本剤の女性性器感染症に対する有効性と安全性についてはすでに確認されているが2), 周産期感染症の治療においては治療効果と共に胎児あるいは新生児に対する安全性に充分な配慮が必要である。
我々は前期破水 (PROM) 症例及び帝王切開術後症例にCTMを使用し, その臨床的効果及び母児に対する安全性を検討すると共に前期破水時における母児間移行を薬動力学的に解析, 検討を行つたので報告する。

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