The Japanese Journal of Antibiotics
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T-2588の臨床第1相試験
小山 優中川 圭一
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1987 年 40 巻 1 号 p. 55-76

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抄録

T-2588の臨床第1相試験を実施し, ヒトでの安全性と体内動態を健常成人志願者25名を対象にに, 錠剤では100mgの1回投与, カプセル剤では100,200,400mgの1回投与及び1日300,600mgをそれぞれ15日間, 14日間連続投与で検討した。
1回投与試験では何ら臨床症状に異常はなく, 1日300mg連続投与及び1日600mg連続投与時だけにそれぞれ一過性の腹部膨満感, 軽度の軟便各1例が認められた。
臨床検査値異常は1回投与試験時1例, 連続投与時3例に軽度のトランスアミナーゼ上昇が認められたが, 試験終了時には正常範囲内及び投与前値まで回復していた。上記以外の自他覚的及び臨床検査値に何ら異常を認めなかつた。
本剤の体内動態は食事摂取後の方が空腹時よりTmaxが遅れ, Cmaxは高い傾向にあつた。尿中回収率は投与8時間までに19~28%を示し, 食後の方が高い回収率を示した。連続投与試験の最終投与24時間後の血中濃度は測定限界以下であり, 投与3時間後の各測定日においてもほぼ同じ値であつた。尿中回収率の検討からみても本剤の蓄積性は認められなかつた。

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