The Japanese Journal of Antibiotics
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呼吸器感染症に対するFlomoxefの効果
高木 健三山木 健市佐竹 辰夫鈴木 隆二郎久米 裕昭都築 徹哉松本 修一堀場 通明原 通広井上 広治田野 正夫本多 康希佐々木 智康笹本 基秀
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1987 年 40 巻 10 号 p. 1787-1793

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抄録

入院中の呼吸器感染症の患者22例に対してFlomoxef (以下FMOX, 6315-S) を使用し, 以下の臨床成績を得た。患者の内訳は肺炎13例, 慢性気管支炎5例, 慢性呼吸器疾患の二次感染3例, 膿胸1例で, 基礎疾患として肺結核症, 慢性肺気腫などを有するものが17例であつた。本剤は原則として, 1回1~29, 1日2回を静注又は点滴静注にて投薬した。最長投薬日数は16日間で, 最大投薬量は649であつた。
臨床効果は著効1例, 有効10例, やや有効4例, 無効4例, 判定不能3例であり, 有効率は57.9%であつた。副作用は発疹1例, 口内炎及び舌のしびれ感1例を認め, 検査値の異常は5症例に認められた。肺結核症などの基礎疾患を有する高齢の患者を多く含むことを考慮すれば, ほぼ満足すべき効果であつた。

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