1987 年 40 巻 11 号 p. 1917-1922
Carumonam (CRMN, AMA-1080) はβ-Lactam抗菌剤の一つであるMonobactam系の抗菌剤である。本剤を内科領域の感染症10例に投与して本剤の有用性と安全性を検討した。
対象は急性化膿性扁桃炎1例, 肺炎4例, 慢性気管支炎の急性増悪1例, 慢性腎孟炎1例, 急性膀胱炎1例, その他に肺炎として本剤を投与したが, 後でマイコプラズマ肺炎, 原発性異型肺炎 (PAP) と判明したのが各々1例みられたが, これらは有効率から除外した。本剤を1g, 1日2回点滴静注した。本剤の臨床効果は著効1例, 有効7例であつた。本剤投与前にStreptococcus, pneumoniaeが肺炎例で認められ, 本剤投与後も持続したが, 本剤の臨床効果は有効であつた。尿路感染症で本剤投与前にEscherichia coli, Klebsiella pneumoniaeがみられ, 本剤投与後にStaphylococcus, Enterococcus faecalisがみられたが, 臨床効果は有効であつた。本剤の副作用はみられなかつたが, 臨床検査値異常が本剤投与後に1例で軽度の好酸球数増多, GOT, GPT上昇, 1例で白血球数の軽度減少が認められた。