The Japanese Journal of Antibiotics
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急性単純性膀胱炎の治療と再発に関するCefroxadineの臨床的検討
公文 裕巳大森 弘之
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1987 年 40 巻 4 号 p. 703-710

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抄録

急性単純性膀胱炎患者83例を対象としてCefroxadine 1回250mgを1日3回, 3~7日間投与し, その臨床効果並びに7日目著効例での再発について, 70歳未満と70歳以上の2群に層別化して検討を加えた。
1. UTI基準に基づく総合臨床効果は, 3日目判定で著効53.2% (33例/62例), 有効46.8% (29例/62例), 有効率 (著効十有効) 100%, 7日目判定で著効78.7% (37例/47例), 有効21.3% (10例/47例), 有効率100%であり, 70歳未満群と70歳以上群に差を認めなかつた。
2. 再発検討症例24例 (70歳以上7例を含む) におけるUTI基準に基づく再発判定では, 再発なし22例, 判定保留2例で再発率は0%であつたが, 主治医判定での再発率は8.3% (2例/24例) であつた。なお, 主治医判定で再発ありの2例は70歳未満の症例であつた。以上の臨床成績について報告すると共に再発判定基準の問題点について言及した。

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