The Japanese Journal of Antibiotics
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総説 [最新の抗菌薬XXII] Aspoxicillin
松本 慶蔵
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1987 年 40 巻 7 号 p. 1221-1242

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抄録

Aspoxicillin (ASPC) は田辺製薬株式会社で開発された注射用ペニシリン剤である。その構造をFig.1に示すが, Amoxicillin (AMPC) のフェニル基に結合した水酸基に着目して体内動態の改善を計り, アミノ基にN4-Methyl-Dasparaginyl基を導入して抗菌スペクトルを拡大したアミノ酸型ペニシリン剤である。ASPCは強い殺菌作用を保持し, 高い血中濃度と長い血中半減期によりin vitro効果から予想されるよりも優れたin vivo効果を発揮することを特長としている。本剤の臨床的有効性及び安全性については, 第30回日本化学療法学会総会の新薬シンポジウム (1982年6月, 東京) にて報告された1)。今回, それらの成績並びに呼吸器感染症, 術後創感染及び化膿性中耳炎に対する他剤との比較試験, 小児科領域の試験等において, 優れた有効性と安全性が確認された成績をも含めて報告し, 本剤の特長を明らかにしたい。

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