子宮筋腫患者の手術時にLatamoxef (LMOX) を1日, 192回, 5日間使用し組織内移行と術後感染予防について検討し次の結論を得た。
1.LMOXの組織内移行を濃度曲線下面積 (AUC) の比で見ると子宮漿膜 (45.3%), が最も高く, 次いで子宮頸部 (39.2%), 子宮内膜 (35.9%), 卵管 (35.1%), 子宮筋層 (29.5%), 卵巣 (24.4%) の順であつた。
2.C
maxは卵管 (46.9μg/9) において最も高く, 次いで子宮漿膜 (44.2μg/9), 子宮頸部 (35.8μg/9), 子宮筋層 (26.9μg/9), 子宮内膜 (25.6μg/9), 卵巣 (24.3μg/9) であつた。
3.血清中濃度の半減期はT1/2 (α) で0.27時間, T1/2 (β) で1.81時間であつた。
4.術後感染予防効果は94.3%, Febrilemorbidityは5.7%であつた。術前, 術後の検査値に異常はほとんど認められず, 又, 副作用はなかつた。
今回LMOXは婦人科組織に良好な移行性を示し, 感染症の治療に, 又, 術後管理に有用性が極めて高いことが示唆された。
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