1987 年 40 巻 9 号 p. 1628-1638
1.Cefmenoxime (CMX) 19, 1時間点滴静注後の血清中濃度は投与開始1時間で最高 (平均58.23μg/ml) となり, 2, 3, 5時間後で, 19.57, 12.40, 5.82μg/mlと漸減した。
2.肺組織内移行は正常肺胞組織では血清中濃度ピーク値に対して202分後で平均14.9%, 病巣部では201分後で平均9.72%であつた。細気管支組織では191分後に平均20.7%であり, 細気管支内分泌物への移行も良好であつた。
3.胸腔内滲出液移行はCMX1g, 1時間点滴静注投与開始12時間後でも, 血清中濃度は平均値で0.73μg/mlであり, 胸腔内滲出液中濃度は2.53μg/mlであつた。
4.術後感染予防として, 呼吸器手術患者26例にCMX19, 1時間点滴静注法にて, 12時間ごとに1日29を投与した場合, 術後感染症の合併は1例も認められなかつた。又, 37℃以下への下熱時期は平均術後4.27日であり, 術後感染予防に対して有用であつた。