The Japanese Journal of Antibiotics
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産婦人科領域におけるFlomoxefに関する基礎的並びに臨床的検討
松田 静治岡田 弘二二宮 敬宇清水 哲也野田 克已出口 浩一
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1988 年 41 巻 12 号 p. 1822-1840

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抄録

注射用Oxacephem系抗生物質Flomoxef (略号FMOX, 治験 No.6315-S) について産婦人科感染症研究班を組織し, 産婦人科領域における基礎的, 臨床的検討を行い, 以下の成績を得た。
1.子宮内容物及び骨盤死腔滲出液から得たグラム陽性球菌に対する本剤のMICは0.20μg/mlにPeakがあり, グラム陰性桿菌及び嫌気性菌にもLatamoxefと同等ないしはより良い成績であった。
2.FMOX 1~2gを静注又は点滴静注した際の本剤の子宮及び子宮付属器組織への移行も良好で1g静注時の各組織のCmaxは22.3μg/gから44.6μg/gであった。 2g投与時にも明らかなDose responseを示した高い移行であった。 又, 骨盤死腔滲出液中濃度も良好で1g静注及び1g点滴静注時のTmaxは2.41時間及び2.36時問, Cmaxは19.0μg/ml及び16.1μg/mlであつた。
3. 総投与例226例中, 評価可能例222例の各種産婦入科感染症に対する本剤の臨床効果は著効41例, 有効159例の90.1%の高率であった。
細菌学的効果は評価可能例124例で86.3%の菌消失率であった。
副作用及び臨床検査値異常は5例(2.2%)及び17例(7.5%)と少なく, いずれも軽度であった。
以上の成績から, 本剤は産婦人科領域感染症にも有用な薬剤であると考えられた。

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