The Japanese Journal of Antibiotics
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Sultamicillin細粒の小児科領域における検討
佐藤 肇成田 章松本 貴美子中澤 進一鈴木 博之中西 好子新納 憲司中澤 進
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1988 年 41 巻 12 号 p. 1855-1862

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抄録

小児科領域におけるSultamicillin (SBTPC) 細粒に関する一連の検討を行い, 以下の成績を収めることができた。
1. SBTPC細粒5-15mg/kg内服後の血清中濃度のPeakはAmpicillin (ABPC), Sulbactam (SBT) 共に投与後1時間目にあつてABPCでは1.18~3.26μg/ml, SBTでは0.97~3.05μg/ml, 以後漸減し, 6時間目では測定不能, T1/2 (β) はABPCでは0.83-1.83時間, SBTでは0.94~1.71時間でABPC, SBTともDose responseがみられ, 両者の血清中濃度は1~6時間までほぼ類似の成績であった。
2.本剤5~15mg/kg内服6時間までの尿中回収率はABPCでは33.9~64.8%, SBTでは38.1~76.6%であった。
3.治療疾患6種類, 計14例でSBTPC細粒の1日投与量は30mg/kg前後が多く, 3回分割経口投与し, 著効11例, 有効3例と全症例に明らかな臨床効果を認めることができた (有効率100%)。
4. 治療各種症例から分離された細菌は6種類, 計14株であり, 培養による菌消失率は85.7%であつた。 β-Lactamase陽性, ABPC耐性株分離症例でSBTPCによって著効の得られた症例を経験した。
5. 副作用として下痢1例を認めたが, 臨床検査値の異常はなかった。

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