The Japanese Journal of Antibiotics
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小児科領域におけるSultamicillin細粒の体内動態と臨床的検討
森田 英雄久川 浩章岡田 泰助川久保 敬一久保田 晴郎浜田 文彦友田 隆士荒木 久美子利根 洋一脇口 宏倉繁 隆信
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1988 年 41 巻 12 号 p. 1973-1979

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抄録

小児科領域におけるSultamicillin (SBTPC) 細粒の体内動態及び臨床的検討を行い, 下記の成績を得た。
1. SBTPC細粒5.0mg/kg (力価) の1回投与時の血清中濃度のピークはAmpicillin, Sulbactamとも投与後1時間後に認め, それぞれのピーク値は1.92μg/ml, 1.85μg/mlであり, 半減期は1.04時間, 0.76時間であつた。投与後0~2, 2~4, 4~6時間の排泄率はABPCでは8.8, 20.4, 5.5%, SBTでは7.7, 16.4, 4.4%であり, ABPC, SBTはほぼ平行に増減した。
2. 臨床成績検討は扁桃炎4例, 咽頭炎5例, 気管支炎2例, 膀胱炎2例, 尿路感染症2例の計15例を対象に行つた。SBTPC細粒6.7~18.2mg/kg, 1日3~4回投与にて5~10日間投与し著効6例, 有効9例と有効率100%の成績を得た。
3. 副作用症状は下痢を1例で認めた。臨床検査所見では本剤によると考えられる異常変動は認められなかつた。
以上の成績から, SBTPC細粒は小児科領域における細菌感染症治療に大いに期待される薬剤である。

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