The Japanese Journal of Antibiotics
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新生児におけるCeftriaxoneの基礎的, 臨床的検討
砂川 慶介石塚 祐吾斎藤 伸夫河合 直美秋田 博伸岩田 敏佐藤 吉壮
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1988 年 41 巻 2 号 p. 133-143

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抄録

Ceftriaxone (CTRX) のB群連鎖球菌に対する抗菌力, 新生児における臨床効果を検討し, 次の結果を得た。
1. 妊婦腟由来のB群連鎖球菌55株に対する本剤のMICは全株0, 10μg/ml以下であつた。
2. 8例に治療目的, 3例に予防目的, 1例で副作用検討の目的で本剤を投与したところいずれも有効以上の効果を示した。副作用として4例に下痢, 2例に嘔吐がみられた。臨床検査値の異常は好酸球増加, 血小板数増加が各1例にみられた。
3. 9例で腸内細菌の検討を行つたところ, 他のいわゆる第3世代Cephem系抗生物質と同様影響が大きいとの結果を得た。
4. 11例にVitamin K欠乏の有無を検討したところ3例にProthrombin time (PT) の延長, 2例に異常プロトロンビン (PIVKA II) 陽性がみられた。
5. 7例にアデノシンニ燐酸 (ADP) による血小板凝集能を測定したが, 血小板機能への影響は少ないと考えられた。

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