The Japanese Journal of Antibiotics
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周産期妊産婦におけるCeftriaxoneの検討
高瀬 善次郎藤原 道久三好 敏裕中山 雅人河本 義之白藤 博子
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1988 年 41 巻 2 号 p. 210-215

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抄録

新Cephem系抗生物質であるCeftriaxone (CTRX) はグラム陽性菌及びグラム陰性菌に対し優れた抗菌力を有している。今回, CTRXの周産期妊産婦30例に対する検討を行い, 以下の結果を得た。
1. CTRX 1g 1回投与時の母体血清中濃度は, 投与後20分及び25分で135μg/mlのピーク値に達した。
2. CTRXの臍帯血清中及び羊水中への移行も良好であつた。臍帯血清中濃度及び羊水中濃度は, 母体血清中濃度のそれぞれ約20%, 約10%が移行していた。
3. 母体及び新生児において, なんら副作用は認められなかつた。
4. CTRXは周産期感染症に対し, 有用な抗生物質であると考えられる。

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