1988 年 41 巻 5 号 p. 549-556
18例の小児尿路感染症患者にGentamicinを点滴静注投与し, 臨床効果と薬動力学的検討を行つた。
1. 18例中全例が有効以上の臨床効果を示し, 腎や聴覚器に対する毒性は認めなかつた。
2. 1.0mg/kg投与群, 1.9~2.0mg/kg投与群, 2.2~2.5mg/kg投与群の間に投与量と血清中濃度の間のDose responseを認めた。
3. 血中半減期は年長児では短く1.66時間, 1歳未満では2.10時間であつた。
4. 1.9~25mg/kg投与時における点滴静注開始後6.5時間以内の尿中回収率は平均62.48%であつた。
5. 初回投与時と最終投与時との間に薬動力学的係数上, 大きな差はなく, 蓄積効果は認めなかつた。