The Japanese Journal of Antibiotics
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最新の抗菌薬XXX Carumonam
斎藤 篤
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1988 年 41 巻 6 号 p. 613-622

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抄録

Carumonam (CRMN) は, 武田薬品工業 (株) が世界ではじめて細菌から発見した単環性β-Lactam系抗生物質Sulfazecin1) の基本骨格を種々化学修飾することによつて得られた新しい注射用抗生物質である2, 3)。
構造式はFig. 1に示すとおりである。この単環性β-Lactam系抗生物質はPenicillin系, Cephem系と区別するためMonobactam系と呼ばれ, その一つにスクイブ社のAztreOnam (AZT) がある。
CRMNはPseudomonas aeruginosaを含むグラム陰性菌に対して既存のβ-Lactam系注射剤より強い抗菌力を示し, 又, 毒性試験, 一般薬理試験4), 臨床第一相試験5) などにより, その安全性が確認され, 臨床的な有用性が期待されたので, 1983年11月から研究会 (世話人岐阜大学泌尿器科西浦常雄, 東京慈恵会医科大学第2内科斎藤篤) が組織され, 基礎並びに臨床に関する広範な検討がなされた。その検討成績は, 第33回日本化学療法学会西日本支部総会新薬シンポジウムにおいて発表された6)。ここでは, それ以降の研究成績も含めて本剤の概要について述べる。

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