The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
Print ISSN : 0368-2781
ISSN-L : 0368-2781
小児科領域におけるRokitamycinの臨床的検討
砂川 慶介石塚 祐吾斎藤 伸夫
著者情報
ジャーナル フリー

1988 年 41 巻 6 号 p. 745-754

詳細
抄録

小児感染症29例にRokitamycin (RKM) ドライシロップを21.4~44.4mg/kg/日経口投与して以下の結果を得た。
1. 効果判定の可能であつた24例の臨床効果は扁桃炎, 喉頭炎5例中著効2例, 有効3例, 気管支炎8例中著効3例, 有効5例, 気管支肺炎6例中著効3例, 有効2例, やや有効1例, オーム病3例中著効2例, 有効1例, カンピロバクター腸炎2例中著効2例で有効率は95.8%であった。
2. 細菌学的効果はStreptococcus pyogenes 2株中減少1株, 不変1株, Streptococcus pneumoniae 1株及びStaphlococcus aureus 2株はいずれも消失, Haemophilus influenzae 5株中消失2株, 不変3株, Campylobacter 2株はいずれも消失であった。
3. 本剤が投与された27例のうち副作用としては下痢, 腹痛, 食欲不振が各1例にみられた。一部の症例で行つた血液検査では1例で血小板数が27.6×104から78.2×104と増加した他には検査値異常は認められなかつた。
以上の結果からRKMドライシロップは小児の感染治療に対して有効性, 安全性の高い薬剤であると考えられた。

著者関連情報
© 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
前の記事
feedback
Top