1988 年 41 巻 7 号 p. 830-835
新しいマクロライド系抗生物質であるRokitamycin (RKM) についてChlamydia psittaci及びChlamydia trachomatisに対するMICを測定し, 更にRKM添加後の形態学的変化を電子顕微鏡により観察した。
1. C. psittaci MP株及び患者飼育インコから分離した3株に対するRKMのMICは, いずれも0.05~0.10μg/mlであり, C. trachomatis B, E, L2株に対するMICも0.20~0.39μg/mlでMinocycline (MINO), Doxycycline, Rifampicinには劣るが, Erythromycin, Midecamycinには勝る成績であつた。
2.C. pdiyysciIZAWA株及びC. trachomatisL2株にMIC 2倍相当のMINO 0.05μg/mlあるいはRKM 0.20μg/mlを添加した場合, 封入体内部に基本小体や中間体の形成は全く認められず, 網様体も正常より大きくなり, 内部の細胞質成分も不規則な分布を示していた。