The Japanese Journal of Antibiotics
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ピリドンカルボン酸系抗菌剤の代謝研究 (第2報)
(±)-7-(3-Amino-1-pyrrolidinyl)-6-fluoro-1-(2, 4-diHuorophenyl)-1, 4-dihydro-4-oxo-1, 8-naphthyridine-3-carboxylic acid ρ-toluenesulfonate hydrate (T-3262) の血中, 尿中, 胆汁中及び糞中代謝物の定量
田井 賢酒井 広志新田 純早川 大善杉本 由美子林 清範前田 豊男
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1989 年 42 巻 4 号 p. 876-886

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抄録

(±)-7-(3-Amino-1-pyrrolidinyl)-6-nuoro-1-(2, 4-difiuorophenyl)-1, 4-dihydro4oxo-1, 8-naph-thyridine-3-carboxylic acid ρ-toluenesulfonate hydrate (T-3262) の体内動態及び代謝をT-3262及び14C-T-3262を用いて各種動物について検討した。
1. T-3262をマウス, ラット, ウサギ, イヌ及びサルに経口投与し血清中及び尿中代謝物を測定した結果, 血清中では未変化のT-3262 base以外に代謝物としてT-3262Aがラヅト, ウサギ, サルに検出され, T-3262Bがサルで検出された。尿中には大部分が未変化のT-3262 baseとして排泄されたが, 代謝物として, T-3262A, T-3262B及びこれらのグルクロン酸抱合体及び未知物質M-Iが認められ, 動物により代謝パターンは異なっていた。
2. 胆汁中及び糞中代謝物はT-3262又は14C-T-3262を投与したマウス及びラットで検討した。胆汁中代謝物の種類は尿とほぼ同様であつたが, T-3262A及びそのグルクロン酸抱合体が多く排泄され, 糞中には大部分が未変化のT-3262 baseとして排泄された。
3. T-3262の塩として用いられたρ-Toluenesulfonic acidも吸収され, 尿中に未変化のまま排泄された。

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