1989 年 42 巻 5 号 p. 1199-1207
Cefoperazone(CPZ)を満60歳以上の高齢患者46名(平均73歳)の呼吸器感染症に使用し以下の結果を得た。
1. 臨床成績は解析対象36例中著効7例, 有効22例, 有効率80.6%の成績であった。
2. 副作用は投与直後の全身発疹が1例, 投与開始10日後の発熱が1例みられた。肝機能検査値上昇など5例に検査値異常がみられた。
3. CPZ残存血中濃度とクレアチニンクリアランス(Ccr)値, 総ビリルビン(T. Bil.)値との相関はみられず, 今回検討した範囲では, Ccr値, T. Bil. 値はCPZの排泄にほとんど影響はないものと考えられた。
4. CPZ1日量4g, 3週間以内の投与では, 特に腎機能に影響を及ぼすことはなかった。以上の成績から, CPZは腎機能に影響することが少なく, 高齢者の呼吸器感染症に有用性の高い薬剤と考えられた。