The Japanese Journal of Antibiotics
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小児科領域におけるCefodizimeの基礎的, 臨床的検討
柳島 正博楊井 正紀柳 忠道辻 芳郎今村 甲中山 紀男
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1989 年 42 巻 6 号 p. 1424-1435

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抄録

新しい注射用セフェム系抗生物質Cefodizimeについて基礎的, 臨床的検討を行い以下の成績を得た。
1. 吸収, 排泄は10mg/kg 30分点滴静注1例, 20mg/kg One shot静注2例, 40mg/kg 30分点滴静注2例の計5例で検討した。血清中濃度のピークは, いずれも点滴静注あるいは One shot静注終了直後にあり, Cmaxは10mg/kgでは119.2μg/ml, 20mg/kgでは374.9, 255.7μg/ml, 40mg/kgでは321.3, 431.8μg/mlであつた (高速液体クロマトグラフィー (HPLC) 法)。HPLC法とBioassay法との比較では, 全般にBioassay法の方が高値を示す傾向があつた。
T 1/2 (β) は1.74~1.93時間 (HPLC法), 1.77~2.24時間 (Bioassay法) であつた。尿中回収率を上記5例のうち3例で検討した。本剤投与終了後0~8時間までの累積尿中回収率は 57.9~90.6% (HPLC法), 50.4~88.0% (Bi0assay法) であつた。
2. 臨床効果では呼吸器感染症14例, 尿路感染症5例, 蜂窩織炎3例の計22例について検討し有効率は95.2%であつた。細菌学的効果では, 菌消失率は90.0%であつた。副作用として口角炎, 下痢, 軟便がそれぞれ1例ずつ認められた。臨床検査値異常としてGPT上昇, GOT・ GPT上昇が1例ずつ認められた。

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