1989 年 42 巻 9 号 p. 1913-1918
Methicnlin耐性ブドウ球菌 (MRSA) による感染性心内膜炎と, これに伴う大動脈弁閉鎖不全症にCefmetazole (CMZ) とFosfomycin (FOM) の併用療法を行い根治し得た症例を経験した。被検出菌はin vitroにおいてもDisc法及び平板法によりCMZとFOMの相乗効果がみられた。MRSA感染症において感染性心内膜炎のような重症感染症に対してもCMZとFOMの併用が有用であつたとの報告はなく, 両者の併用が相乗効果を持つことが確認できた希有な症例と考えられ報告した。