1989 年 42 巻 9 号 p. 1926-1937
血液疾患に併発した重症感染症51例に対してAztreonam (AZT) とClindamycin (CLDM) の併用療法を施行し, その有効性と安全性を検討した。
感染症の内訳で最も多い敗血症疑症例で高い有効率 (72.9%) を示し, AZT・CLDM投与前末梢血好中球数が100/mm3以下の状態でも58.3% (7例/12例) と良好な有効率であった。更に経過中に好中球が増加した群では90.9% (10例/11例) まで有効率が上昇し, 逆に, 好中球が減少した群でも63.6% (7例/11例) の有効性が得られた。
又, 先行剤無効例においても75.0% (6例/8例) の有効性を認めた。一方, 副作用としては軽度の悪心しか認められず, 投与中止後速やかに消失した。以上から, AZT・CLDM併用療法は血液疾患に併発した感染症に対して安全で且つ非常に有用な化学療法であると考えられる。