The Japanese Journal of Antibiotics
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新鮮臨床分離株に対するGentamicinの抗菌活性
出口 浩一横田 のぞみ古口 昌美中根 豊深山 成美石原 理加小田 清次田中 節子佐藤 久美子福本 寅雄
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1990 年 43 巻 10 号 p. 1674-1684

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抄録

1989年7月-12月に分離した臨床分離株に対するGentamicin (GM) の抗菌活性を, 他のアミノ配糖体系抗生物質 (AGs) などと比較検討した。
1.GM耐性菌はstaphylococcus aureus24%, Enterobacter spp.12%, Serratia marcescens24%, Morganella morganii7%, Pseudomonas aeruginosa26%であったが, Escherichia coli, Klebsiella pneumoniae, Proteus mirabilisそしてProteus vulgazisのGM耐性株は認められなかつた。
2.S.aureusのGM耐性株はその大部分が, Methicillin-resistant S.aureus (MRSA) であり, Enterobacter spp.のGM耐性株はNew quinolones耐性株と高い相関を示した。しかし, S.marcescens, M.morganii, P.aeruginosaのNew quinolones耐性株に対してはGMは強い抗菌活性を示した。
3.S.marcescensのAGs耐性株の割合はGM24%, Tobramycin (TOB) 72%, Dibekacin (DKB) 86%, Amikacin (AMK) 64%とGM耐性株が最も低率であり, こうした傾向はP.vulgarisにも認められた。しかし, P, aeruginosaの耐性株の割合はGM26%, TOB14%, DKB18%, AMK22%でGM耐性の占ある割合がやや高い。これらは臨床分離株の産生するAGs修飾酵素の現状を示唆していた。
4.GM耐性菌の占める割合を1980年, 1983年の成績と比較すると, S.aumsでは増加しているものの, Enterobacter spp.S.marcescens, P.vulgaris, P.aeruginosaでは減少しており, 臨床分離株のGM耐性菌の経年的増加傾向は認あられない。

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