1990 年 43 巻 2 号 p. 219-227
1988年11月から1989年4月までに当院で分離されたメチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) の各種抗菌剤に対する感受性を検討した。菌株の由来は血液4株, 喀痰40株, 胆汁1株, 腹水1株, 尿4株であった。
成績はCefazolin, Cefmetazole, Cefhzonam, Flomoxef, Tobramycinに対しては, すべてのMRSAが耐性であった。Fosfbmycin, Amikacinに対しては80%以上の株が耐性であった。Onoxacin (OFLX) に対しては60%の株が耐性であった。Gentamicin (GM), Dibekacin (DKB), Astromicin (ASTM) に対しては50%以上の株が感性であった。46%の株が, Minocyclineに対しては感性であった。Netilmicinに対しては88%の株が感性であった。Vancomycin, Arbekacinに対してはすべての株が感性であった。前回の成績と比較すると, OFLXに対する耐性化が急速に進行していた。
一方, コアグラーゼ型別では, II型が多く分離されているが, GM, ASTM, DKBはIV型に対する抗菌力は弱いが, II型に対しては良好な抗菌力を有することが多かった。