The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
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メチシリン耐性黄色ブドウ球菌に対する各種抗菌剤の抗菌力及びコアグラーゼ型別に伴うアミノ配糖体系薬剤の抗菌力の差の検討
1982年から1986年までの分離株と最近6ヵ月間の分離株との比較
和田 光一川島 崇荒川 正昭尾崎 京子
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1990 年 43 巻 2 号 p. 219-227

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抄録

1988年11月から1989年4月までに当院で分離されたメチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) の各種抗菌剤に対する感受性を検討した。菌株の由来は血液4株, 喀痰40株, 胆汁1株, 腹水1株, 尿4株であった。
成績はCefazolin, Cefmetazole, Cefhzonam, Flomoxef, Tobramycinに対しては, すべてのMRSAが耐性であった。Fosfbmycin, Amikacinに対しては80%以上の株が耐性であった。Onoxacin (OFLX) に対しては60%の株が耐性であった。Gentamicin (GM), Dibekacin (DKB), Astromicin (ASTM) に対しては50%以上の株が感性であった。46%の株が, Minocyclineに対しては感性であった。Netilmicinに対しては88%の株が感性であった。Vancomycin, Arbekacinに対してはすべての株が感性であった。前回の成績と比較すると, OFLXに対する耐性化が急速に進行していた。
一方, コアグラーゼ型別では, II型が多く分離されているが, GM, ASTM, DKBはIV型に対する抗菌力は弱いが, II型に対しては良好な抗菌力を有することが多かった。

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