The Japanese Journal of Antibiotics
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43 巻, 2 号
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  • 1982年から1986年までの分離株と最近6ヵ月間の分離株との比較
    和田 光一, 川島 崇, 荒川 正昭, 尾崎 京子
    1990 年 43 巻 2 号 p. 219-227
    発行日: 1990/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1988年11月から1989年4月までに当院で分離されたメチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) の各種抗菌剤に対する感受性を検討した。菌株の由来は血液4株, 喀痰40株, 胆汁1株, 腹水1株, 尿4株であった。
    成績はCefazolin, Cefmetazole, Cefhzonam, Flomoxef, Tobramycinに対しては, すべてのMRSAが耐性であった。Fosfbmycin, Amikacinに対しては80%以上の株が耐性であった。Onoxacin (OFLX) に対しては60%の株が耐性であった。Gentamicin (GM), Dibekacin (DKB), Astromicin (ASTM) に対しては50%以上の株が感性であった。46%の株が, Minocyclineに対しては感性であった。Netilmicinに対しては88%の株が感性であった。Vancomycin, Arbekacinに対してはすべての株が感性であった。前回の成績と比較すると, OFLXに対する耐性化が急速に進行していた。
    一方, コアグラーゼ型別では, II型が多く分離されているが, GM, ASTM, DKBはIV型に対する抗菌力は弱いが, II型に対しては良好な抗菌力を有することが多かった。
  • 各種経口抗菌剤との比較
    岩田 敏, 川島 千恵子, 坂本 春生, 磯畑 栄一, 金 慶彰, 横田 隆夫, 楠本 裕, 佐藤 吉壮, 秋田 博伸, 老川 忠雄, 砂川 ...
    1990 年 43 巻 2 号 p. 228-232
    発行日: 1990/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    臨床分離のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) 133株に対するNorfloxacin (NFLX) の最小発育阻止濃度 (MIC) を測定し, Minocycline (MINO), Erythromycin (EM), Amoxicillin (AMPC), Cefaclor (CCL), Fosfbmycin (FOM) の各薬剤と比較検討した。
    各薬剤のMIC90はNFLXが3.13μg/ml, MINOが0.39μg/ml, EMが>100μg/ml, AMPCが50μg/ml, CCLが>100μg/ml, FOMが>100μg/mlであつた。EM及びFOMでは2峰性のMIC分布が認められた。又, EM, AMPC, CCL, FOMの4剤が共に耐性を示す菌株は55株認められたが, NFLXはこれらの菌株のうち50株に対して, MINOは54株に対して良好な抗菌活性を示した。NFLXは小児に対する安全性の検討も終了しており, 今回の成績からMRSAに対して比較的良好な抗菌力を有していることは明らかで, 今後小児を含むMRSA感染症に使用し得る経口抗菌剤として有用と思われる
  • 井上 松久, 桜井 奈津子, 松井 初江, 角田 光子, 大久保 豊司
    1990 年 43 巻 2 号 p. 233-238
    発行日: 1990/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Vancomycin はMethicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA) 及びMethicillinsensitiveS. aureus (MSSA) いずれの場合も1.56μg/mlで全菌株の発育を抑えた。又, これらMRSA22株及びMSSA5株に対するCefamandole (CMD), Flomoxef (FMOX), Imipenem (IPM) の抗菌力を調べた。MSSA, MRSAに対する抗菌力はMIC50でIPM, CMD, FMOXの順であり, MIC90ではCMD, FMOX, IPMの順であった。CMD, FMOX, IPM相互の併用によりMRSA, MSSAに対する抗菌力は, 併用時のMIC比較で単独剤のそれに比べ約4~10倍増強された。更にMRSAの耐性発現は温度依存性が高いことから, 30℃ に比べ36.5℃ 及び39~42℃ では更にβ-ラクタム剤間の併用効果は低濃度で発揮されるものと考えられる。
  • 石橋 凡雄, 高本 正祇, 篠田 厚, 吉由 稔, 市川 洋一郎, 城戸 優光, 二宮 清, 北原 靖久, 原 信之, 鶴谷 秀人, 山田 ...
    1990 年 43 巻 2 号 p. 239-256
    発行日: 1990/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1987年3月から1988年3月までの13カ月間に九州地区を中心とした28施設において集積された下気道感染症にSulbactam/Ce負) perazone (SBT/CPZ) を投与し, その臨床効果, 安全性, 血中濃度の推移にっき検討を行った。
    1.SBT/CPZ1回29点滴静注後4時間までの血中濃度推移を35例について検討し, 点滴静注終了時のピークはSBT38.2±17.3μg/ml, CPZ104.3±31.4μg/mlであり, 血中濃度半減期はSBT0.76時間, CPZ1.53時間であり従来の成績とほぼ同一であることを確認した。
    2.肝又は腎障害例において本剤1回2g点滴静注投与で本剤成分であるSBT, CPZそれぞれの血中半減期は有意な延長を認めなかった。
    3.本剤の臨床効果は217症例において肺炎93.1% (81例/87例), 肺膿瘍93.3% (14例/15例), 慢性気管支炎の急性増悪78.9% (15例/19例), 気管支拡張症の感染72.4% (21例/29例), 慢性呼吸器疾患の二次感染74.4% (32例/43例), びまん性汎細気管支炎57.1% (4例/7例), 肺気腫の感染100% (9例/9例), 肺癌合併気管支炎50% (1例/2例), 膿胸66.7% (4例/6例) であり, 全体としては83.4% (181例/217例) の有効率であった。
    4.基礎疾患に肺癌, 肺結核, 塵肺等を有する肺炎に対する有効率は85.3% (29例/34例) であり, 基礎疾患を有しない肺炎に対する有効率は98.1% (52例/53例) であったが, 統計学上の有意差は認められなかった。
    5.他の抗菌剤が無効であった症例に対し70.0% (21例/30例) の有効率であった。
    6.細菌学的効果は単独分離例においてPseudomonas aeruginosaは42.9% (9例/21例), Haemophilus influenzae87.5% (14例/16例) Streptococcus pneumoniae100% (5例/5例) であり, 単数分離例全体で71.2% (42例/59例) の消失率であり, 複数分離例は全体で75.8% (25例/33例) の消失率であった。全体の細菌学的効果は72.8% (67例/92例) の消失率であった。
    7.CPZ最高血中濃度の高さ, CPZに対するSBTの血中濃度比の大きさが臨床効果に反映する傾向が認められた。
    8.副作用は217例中6例 (2.8%) に認められ, その内訳は発疹などのアレルギー症状, 下痢などの消化器症状であった。臨床検査値異常は8例にGOT, GPT上昇, 好酸球増多がみられた。
    9.SBT/CPZはβ-ラクタム系抗生物質耐性菌が増加しつつある現在において, 下気道感染症に対し有用性の高い抗生物質であると言える。
  • Fosfomycinドライシロップとの比較試験
    本廣 孝, 荒巻 雅史, 織田 慶子, 川上 晃, 田中 耕一, 古賀 達彦, 阪田 保隆, 山下 文雄, 鈴木 和重, 石井 正浩, 大原 ...
    1990 年 43 巻 2 号 p. 257-284
    発行日: 1990/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    小児科領域における細菌性腸炎の起炎菌はCampylobacterjejuniが最も多いことからキャンピロバクター腸炎に対するMacrolide系抗生物質のRokitamycin (RKM) の有効性と安全性を知る目的で小児の急性腸炎に対し, 本剤のドライシロップ (1日投与量は体重lkgあたり約30mg (力価)) と既存のFosfomycin (FOM) ドライシロップ (1日投与量は体重lkgあたり約60mg (力価)) を対照薬に選び, 両剤共に分3 (RKMは空腹時, FOMは食後に投与), 5日間投与を原則とし, Well-control法で比較検討を行ったところ, 次のような成績を得た。
    1.種々の背景因子については両群間に有意差は認められず, 有効性, 安全性について両群の比較を行うのに支障のないことが確かめられた。
    2.臨床効果ではキャンピロバクター腸炎に対しRKM群の有効率は100%, 著効率は91.3%, FOM群では各々94.4, 72.2%で, RKM群がそれぞれ5.6, 19.1%高かつたが有意差はなく, 両薬剤共に良好な有効性を示した。その他の急性腸炎を加えてのRKMの有効率は97.6%, 著効率は85.7%, FOM群では各々88.6, 68.2%で, キャンピロバクター腸炎と同じく有効率及び著効率共にRKM群がそれぞれ9.0, 17.5%高く, U-検定で有意差が得られた。
    3.主要症状の消退に要した日数ではRKM群のキャンピロバクター腸炎ではほとんどの症状が3日以内に消退, FOM群も類似した。その他の急性腸炎ではRKM群, FOM群共にキャンピロバクター腸炎より遅れる傾向にあり, FOM群がより遅延し, 膿性便だけでRKM群がU-検定で有意に回復が短く, 全体的にみても同様であった。
    4.細菌学的効果ではRKM群のC.jejuniに対する消失率は91.3%と良好で, FOM群は78.9%を示し, RKM群が12.4%高かったが有意差はなかった。C.jejuniにその他の起炎菌を加えての効果はRKM群の消失率86.7%, FOM群の消失率76.9%で, RKM群が9.8%高かつたが有意差はなかつた。
    5.起炎菌の消失までに要した日数ではC.jejuniでRKM群がFOM群よりやや短かったが有意差はなかった。その他の起炎菌についてはSalmonella sp.でも有意差はなく, EnteropathogenicEscherichia coli (EPEC) でRKM群はFOM群に比較しU-検定で有意に消失までの日数が遅れた。しかし全体的にみた場合には有意差はなかつた。
    6.副作用は両薬剤群共に出現せず, 臨床検査値では好酸球増多がRKM群とFOM群で各々1例に認められ, GOTとGPTの同時軽度異常上昇がRKM群で1例に出現した。しかし, 副作用及び臨床検査値異常共に両薬剤群間に有意差はなかつた。なお, 両薬剤で服薬を嫌ったり, 服薬を拒否した症例はなかった。
    7.C.jejuniの各種薬剤に対する感受性試験では接種菌量106cells/mlにおけるRKMのMICは全株が0.025μg/mlから0.20μg/ml域に分布し, MIC90は0.10μg/mlで, Norfloxacin, Erythromycinに次ぐ抗菌力を示し, Josamycin, Midecamycin, Kanamycin及び接種菌量105cells/mlのFOMより優れた。
    以上の成績からRKMは小児の細菌性腸炎のなかでもキャンピロバクター腸炎に対しFOMと同じく第1選択剤となり得る有用な抗生物質と言える。
  • 本廣 孝, 吉永 陽一郎, 佐々木 宏和, 荒巻 雅史, 織田 慶子, 川上 晃, 田中 耕一, 古賀 達彦, 島田 康, 冨田 尚文, 阪 ...
    1990 年 43 巻 2 号 p. 285-317
    発行日: 1990/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しく開発された16員環マクロライド系抗生物質のRokitamycin100mg (力価) 錠を22歳から25歳の健康男性7例に, 1回2錠すなわち200mg (力価) を1日3回空腹時に延べ8日間, 実質7日間経口投与し, 投与開始前5日, 投与開始日 (未投与時), 投与開始3日後, 5日後, 7日後 (投与終了日), 投与終了3, 5, 10, 20日及び30日後の糞便につき, その細菌叢に対する影響をみると共に, 本剤の糞便中濃度を測定, 副作用及び臨床検査値への影響についても検討したところ, 次のような結果を得た。
    1.糞便内細菌叢では好気性菌中Enterobacteriaceaeの平均菌数は変化があるとは言えなかつたが, 個々の菌種でみた場合, Escherichia coli で, 投与開始日から投与終了3日後の間に一過性に検出されなかったCaseがあり, Citrobacter sp. で投与開始3日後から分離例が増加し, 投与終了3日後から漸次検出例は減少の傾向を示した。Enterobacteriaceae以外のグラム陰性桿菌ではPseudomonas sp. の分離例が投与開始3日後一過性に増加し, グラム陽性菌は一定の傾向を示さず, 総好気性菌の平均菌数は変化があるとは言えなかった。嫌気性菌を個々の菌種でみた場合, Lactobacillus とPeptococcaceae が投与開始3日後から投与終了3日後まで検出例は減少し, 投与終了5日後から回復傾向を示し, 総嫌気性菌の平均菌数は変化がなかった。
    2.糞便中のClostridium difficile D-1 毒素は投与終了20日後と30日後各2例からいずれも500ng/g検出され, そのうち1例は同一例であつた。
    3.本剤の糞便中濃度は投与開始3日後, 5日後, 7日後 (投与終了日) で全例, 投与終了5日後と30日後では各1例から検出でき, 平均濃度の最高値は投与開始7日後 (投与終了日) の315.5μg/gであった。なお, 投与終了30日後に1例が5.90μg/gを示したが, その原因は不明であった。
    4.全例で副作用の出現はなく, 臨床検査値の異常も認められなかった。
    以上の成績から, 本剤ではヒト糞便内細菌叢への著しい影響は少ないと言える。
  • 森崎 純子, 森崎 伸之, 千村 哲朗
    1990 年 43 巻 2 号 p. 318-320
    発行日: 1990/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    妊娠25日目の家兎にCefmetazole (CMZ) 100mgをOne shotで静注し, 母体血清中及び子宮筋層, 胎盤, 卵膜, 羊水, 胎仔肺の各子官内組織のCMZ濃度を測定したところ, 次の結果が得られた。
    1.母体血清, 子宮筋層, 胎盤内のCMZ濃度は投与30分後に最大値を示し, 以後急速に低下した。
    2.卵膜内濃度は投与30, 60分後に最大値を示したが, その後は低下してほぼ一定値を保つた。
    3.羊水中では投与30分後に最大値を示し, 以後いつたん低下したが, その後上昇傾向を不した。
    4.胎仔肺では投与後徐々に上昇し, 90分で最大値を示した後低下し, その後はほぼ一定値を保つた。但し, その濃度は他の組織と比較すると低く, 治療のためにはかなり高濃度を要すると思われた。
  • 千村 哲朗, 森崎 伸之, 斉藤 憲康, 中原 正城
    1990 年 43 巻 2 号 p. 321-325
    発行日: 1990/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    下部性器の細菌叢の常在と, 子宮体部の細菌の存在と両者の関連性は, 子宮頸部を境界とした局所的防御機構による上行感染に対するバリアー的役割の意義から重要である。従つて, 子宮頸部と子宮体部の細菌の存在を, 婦人科手術症例 (n=77) を対象とし検討した。
    1. 子宮頸部からの細菌検出率は50例/77例 (64.9%) であり, 子宮体部からの検出率は6例/77例 (7.8%) であった。年齢別の比較では, 40歳台での子宮頸部からの検出率が高く, 子宮体部からの検出例はすべて40歳台であった。
    2. 子官頸部の検出菌種では, グラム陽性菌が高率に検出され, 次いで嫌気性菌が認められ, Staphylococcus epidermidis, Lactobacillus, Propionibacterium acnes の検出率が高い。子宮体部では, グラム陽性菌6株とCandida sp.1株であった。
    3. これら子宮全摘術後の感染予防にCefmetazoleが投与されたが, 術後感染症及び副作用は認められなかった。
  • 宮崎 瑞明, 村木 憲子, 河野 典博, 亀井 克彦, 国友 史雄, 栗山 喬之, 菅野 治重, 山岸 文雄, 菊池 典雄
    1990 年 43 巻 2 号 p. 326-336
    発行日: 1990/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    急性気管支炎32例, 慢性呼吸器疾患の感染増悪51例及び肺炎16例の呼吸器感染症99例に対するCefteram pivoxil (CFTM-PI) の有用性を検討した。
    1. 臨床効果は著明改善27例, 改善51例, やや改善9例, 不変10例, 悪化2例で, 改善率は78.8%であった。
    2. 総合効果は著効12例, 有効9例, やや有効5例, 無効症例はなく, 有効率は80.8%であった。
    3. 起炎菌別細菌学的効果は26株中21株消失し (消失率80.8%), 優れた抗菌力を示した。特にHaemophilus influenzae 10 株に対するCefteramのMICはβ-Lactamase産生性に関係なく, 接種菌量108, 106cells/ml共に, MICは0.05μg/ml以下であった。
    4. 副作用は99例中4例に軽度の胃腸障害などがみられた。又, 臨床検査値異常では, GOT・GPTの軽度上昇が2例にみられたが, 2例とも投与前から異常値を示しており, 継続投与可能であり, 又, 投与終了後に改善した。
    以上の結果から, CFTM-PIは急性呼吸器感染症, 及び慢性呼吸器疾患の感染増悪に対して有用な薬剤と思われた。
  • 石引 久彌, 井上 聡, 鈴木 文雄, 奥村 和夫, 武田 憲三, 年光 芳信
    1990 年 43 巻 2 号 p. 337-344
    発行日: 1990/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    胃切除した成人男子にCefuroxime axetil500mgを食後30分に経口投与した時の体内動態について健常者の成績と比較検討した。
    1.血清中Cefuroxime (CXM) 濃度推移は健常人に比べ, Tmaxはやや早く, T1/2はやや長くなる傾向がみられた。
    2.尿中CXM総回収率は胃切除症例53.6%, 健常人54.5%と差はみられなかった。
    3.尿中CXM-△2総回収率は胃切除症例1.7%, 健常人1.3%と差はみられなかった。
    4.以上から, 胃切除症例での体内動態は健常者と比べ基本的な差異はないと考えられるが, 後遺症としての腸管蠕動運動亢進をきたしやすい場合は吸収能の低下もあり得ることが判明した
  • 長坂 肇, 稲垣 王子, 那須 瑞穂, 中川 清彦, 西庵 良彦, 平岡 敬介, 荘野 忠泰, 吾妻 眞幸, 平林 俊明, 森 頴太郎, 井 ...
    1990 年 43 巻 2 号 p. 345-354
    発行日: 1990/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    液透析患者6例にAztreonam (AZT) 1gをOnes hot静注し, 透析時及び非透析時の血清中濃度, 並びに透析性について検討した。
    血清中濃度は透析の影響を受け, 非透析時と透析時の比較では, 投与後1, 2, 6, 12時間値で有意差が認められ, 血清中濃度の半減期は16.97時間から3.44時間と短縮し, クリアランスは0.762L/hrから3.360L/hrと増加した。
    以上から, AZTを血液透析患者に投与するには投与量, 投与間隔を調整する必要があると考えられた。
  • 橋本 博, 山口 聡, 八竹 直
    1990 年 43 巻 2 号 p. 355-361
    発行日: 1990/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しい経口用セフェム系抗生物質Ceftibuten (7432-S, CETB) を9例の慢性複雑性尿路感染症と10例の細菌性前立腺炎の計19例に投与し, 臨床効果と安全性にっぃて検討を行つた。
    対象とした疾患の内訳は慢性複雑性膀胱炎8例, 慢性複雑性腎孟腎炎1例, 急性細菌性前立腺炎4例, 慢性細菌性前立腺炎6例であり, 基礎疾患としては, 慢性尿路感染症では前立腺肥大症, 腎結石, 尿道狭窄, 前立腺癌であった。一方, 前立腺炎では前立腺肥大症, 副睾丸炎, 尿道下裂を合併症としていた。
    薬剤の投与方法は複雑性尿路感染症, 前立腺炎共に1回200mg (2カプセル) を1日2回の経口投与が主体であり, 一部1日3回の600mgで投与し, その投与期間は1週間から最長4週間投与であった。
    UTI薬効評価可能6例の臨床効果は著効4例, 有効1例, 無効1例で総合臨床効果は83.3%であった。又, 細菌性前立腺炎の主治医判定の有効率は10例中1例の判定不能例を除き有効7例, やや有効2例の77.8%有効率であった。
    自他覚的副作用では, 1例に本剤投与後3日目に中程度の悪心, 嘔吐及び下痢が認められ投与を中止した以外には, 問題となるものは認められなかった。
  • 猪狩 淳, 設楽 正登, 設楽 政次, 吉本 加代子, 林 康之, 鈴木 彰, 工藤 肇, 早坂 信夫, 豊嶋 俊光, 山崎 美一, 斉藤 ...
    1990 年 43 巻 2 号 p. 362-373
    発行日: 1990/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    全国各地の病院からStaphylococcus aureus, Escherichia coil, Klebsiella sp. Proteus mirabilfsの臨床分離株を収集し, Ampicillin (ABPC), Cefazolin (CEZ), Cefmetazolo (CMZ), Gentamicin (GM) に対する感受性の地域差と病院差について検討した。
    感受性の差の指標としてMIC≥25μg/mlの菌株の分離率を用い, これを比較した。
    地域差については, S. aureus とABPC, CEZ, CMZ, GM, E. coli とABPC, GM, Klebsiellasp.とCEZ, GMの間に認められ, P. mirabilis の各薬剤に対する感受性の地域差は認められなかつた。しかし, 対象とした病院が各地域 (地方) で2~12病院と少なく, この結果が真の地域差を表しているか疑わしい。
    病院差についても, MIC≥25μg/mlの菌株分離率とMIC50値とMIC80値をもつて比較した。S. aureus とABPC, CEZ, GM, E. coli とABPC, Klebsiella sp. とCEZ, GM, P. mirabilisとABPC, CEZ, GMの間に病院差を認めた。
    薬剤感受性の病院差の要因や背景について考察した。
  • 柿沼 勝己
    1990 年 43 巻 2 号 p. 375-376
    発行日: 1990/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 永井 和夫, 馬替 純二, 辻 亮平, 中村 明人, 山崎 眞狩, 遠藤 豊成, 山口 勇, 田中 暉夫, 鎌倉 高志, 小林 香, 木梨 ...
    1990 年 43 巻 2 号 p. 377-378
    発行日: 1990/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
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