1990 年 43 巻 5 号 p. 842-851
フルオロキノロン系合成抗菌剤であるNorfloxacinの臨床的検討を行い, 下記の結果を得た。
1. 当科臨床分離株に対するMICを測定し, グラム陽性菌, グラム陰性菌に優れたMICを示した。特に, Escherichia coli, Salmonella sp., Klebsiella pneumoniae, Pseudomonas aeruginosa, Haemophilus influenzae, Campylobacter jejuni に対してはNalidixic acid, Amoxicillin, Cefaclor, Erythromycin, Fosfomycinに比較して最も優れた抗菌力を示した。
2.17例の小児期細菌感染症 (腸炎11例, 尿路感染症4例, 扁桃炎1例, 皮膚化膿症1例) に本剤3.1-16.7mg/kg/日を3回に分けて6-14日間経口投与し, 94.1%の有効率を得た。細菌学的には58.8%の有効率を示した。
3.副作用はなかつたが, 臨床検査値では好酸球の軽度の上昇が1例に認められた。