1990 年 43 巻 6 号 p. 954-967
1987年度に尿路感染症患者から分離された菌種の患者背景について性別・年齢分布, 性別と感染症, 年齢と感染症, 性別と菌種, 年齢と菌種, 菌種と感染症, 抗菌・抗生剤投与日数別における, 菌と感染症について検討した。単純性尿路感染症においては男性が22.9%, 女性が77.1%であり, 複雑性尿路感染症ではカテーテル非留置例で男性が71.4%, 女性が28.6%, カテーテル留置例で男性が779%, 女性が22.1%を占めた。Coagulase-negative staphylococciがほとんどの年齢層において3.9-15.7%の範囲で増加し, 逆にPseudomonas aeruginosaは20歳以上の年齢層において40-162%減少した。抗菌・抗生剤投与前における分離菌の種類と頻度をみると, Coagulase-negative staphylococciが前年の3.1%から8.0%へと増加し, P.aeruginosaは前年の12.2%から5.0%に減少した。
1987年度は前年度に比較して若干の変動がみられた。