1991 年 44 巻 10 号 p. 1134-1141
新しいセフェム系抗生物質であるCefdinir (CFDN) 10%細粒の小児科領域感染症における臨床的検討を行い, 以下の結果を得た。
1.CFDNを空腹時経口投与した際の血漿中濃度半減期は, 3mg/kg投与時1.77時間, 6mg/kg投与時平均1.47時間であつた。その際の投与後8時間までの尿中排泄率は3mg/kg投与時21.5%, 6mg/kg投与時平均16.4%であった。
2.CFDNを猩紅熱1例, 咽頭扁桃炎1例, 急性気管支炎3例, 肺炎3例, 尿路感染症3例の計11例に投与した際の臨床的効果について検討し, 90.9%の有効率を得た。
3.副作用としては1例に軟便が認あられた。投与前後の臨床検査成績には異常は認められなかった。