1992 年 45 巻 10 号 p. 1295-1304
血液疾患に合併した重症感染症138例に対してCefodizime (CDZM) を投与し, 有効性及び安全性を検討した.
1. 臨床効果判定可能例121例における有効率は55.4%であった.
2. 起炎菌同定不能例においても56.4%の高い有効率が得られた.
3. 起炎菌別臨床効果は, グラム陰性菌66.7%, グラム陽性菌28.6%で, グラム陰性菌で有効率が高かった.
4. 投与前好中球数が100/μl未満, 100-499/μl, 500/μl以上の有効率は56.3%, 75.0%, 50.0%で, 好中球減少時にも高い有効率が得られた.
5. 副作用, 臨床検査値異常の発現率は1.5%, 6.6%で, いずれも軽微であった.
以上から, CDZMは血液疾患に合併した重症感染症に対して有用性の高い薬剤であると考えられる.