1992 年 45 巻 5 号 p. 468-477
臨床分離グラム陰性桿菌に対するCefodizime (CDZM) とGentamicin (GM) との抗菌併用効果の検討を行い, 以下の結論を得た。
1.両薬剤の抗菌併用効果は, CDZM+Sisomicin (SISO) の場合と同様にGMの抗菌活性に依存していること, 更にそこにおける濃度依存性はCDZMには弱くGMには強い結果だった。これにより, CDZM+SISOとほぼ同等の成績, すなわち両薬剤の抗菌併用効果はCDZM感性・耐性には無関係に, 臨床的に期待し得るGMの血中持続濃度としての1 MICもしくはsub MIC濃度存在下においては, 相乗又は相加効果が期待できることが示唆された。
2.β-ラクタム系抗生物質とアミノ配糖体系抗生物質 (AGs) による抗菌併用効果は「AGsの抗菌活性依存的」であること, 更にそこにおける濃度依存性は, 前者には弱く後者には強いことが普遍的に生じる可能性が示唆された。