1993 年 46 巻 10 号 p. 926-937
Cefditoren pivoxil (CDTR-PI, ME1207) 粒剤を感染症小児16例に治療的に投与した際, カルニチン代謝に及ぼす影響を検討した。CDTR-PIのPivaloyloxymethyl (POM) エステル由来のピバリン酸はカルニチンと抱合して尿中に排泄された。その結果, CDTR-PI投与中のカルニチンの尿中排泄量は増加し, 血清 (血漿) 中遊離カルニチン濃度は低下し, アシルカルニチン/遊離カルニチン濃度比は増加した。これら尿中及び血中所見は投与中止と共に急速に正常化した。なお, 全例において, 副作用は認められなかつた。