1993 年 46 巻 8 号 p. 697-705
造血器疾患に合併した感染症患者65症例に対してSulbactam/Cefoperazone (SBT/CPZ) とAmikacin (AMK) の併用療法を試み, その有効性と安全性を検討した。評価可能症例は57例であり, 著効15例, 有効22例で, 有効以上の有効率は64.9%であった。感染症の内訳は, 敗血症及び敗血症疑が37例で全体の64.9% (37例/57例) を占め, 有効率は67.6% (25例/37例) であった。投与中の好中球数が500/mm3未満の症例 (18例) の有効率は66.7%であり, 前投与の抗生物質に無効例 (28例) に対する有効率は67.9%であつた。因果関係が明らかな副作用は, 下痢を1例認めただけであった。
SBT/CPZとAMKの併用は, 造血器疾患に合併した感染症に対し有用性が高いと考えられた。